Claris FileMaker 2026 対応

機密データを、
外に出さずに AI 活用する。

Claris FileMaker 2026
『Claris AI Model Server』セットアップガイド

AI を使いたい。でも、患者データ・生徒情報・製品ノウハウをクラウドに送ることはできない——。 その課題を解決するのが、FileMaker Server 2026 に統合されたオンプレミス型 AI 推論基盤「Claris AI Model Server」です。外部クラウド AI サービスに依存せず、自社サーバー上で LLM(大規模言語モデル)等の AI モデルを運用します。

  • テキスト生成・ベクトル埋め込み・RAG・イメージキャプション生成に対応
  • 対象:FileMaker Server 2026(26.0.1)以降
  • 全 51 ページ・作成:2026 年 7 月

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Claris AI Model Server セットアップガイド(全 51 ページ)

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Claris AI Model Server とは

クラウド AI を使わずに、
生成 AI と RAG を業務で使う

Claris AI Model Server は、オープンソースの AI モデルを自社サーバー上でホスティングし、FileMaker のスクリプトから直接呼び出す オンプレミス AI 基盤です。テキスト生成、ベクトル埋め込み、RAG(検索拡張生成)活用、マルチモーダルモデルによるイメージキャプション生成まで、機密データを組織内に留めたまま実現します。

既に FileMaker をお使いの方

FileMaker Server 2026 へのアップグレードで、AI 機能を安全に組み込みたい方へ。FileMaker 2025 からのアーキテクチャ刷新点、専用 Admin Console、GPU 活用による性能向上を解説します。

AI 導入を新規に検討中の方

クラウド AI のセキュリティリスクを懸念し、自社完結型の AI モデルサーバー構築を探している方へ。ハードウェア選定から実運用まで、要件定義に必要な情報を網羅しています。

情シス・セキュリティ責任者の方

AI 活用において「データ主権」を確保し、「学習データへの二次利用リスク」を排除したい方へ。医療・教育・製造業における実践的な導入シナリオを紹介します。

AI ガバナンスと情報漏洩対策

なぜ今、「オンプレミス AI」が
求められているのか

生成 AI 関連技術の業務活用が急速に広がる一方、多くの企業・組織がさまざまな懸念を抱えています。
Claris AI Model Server は、オープンソースの AI モデルを自社サーバー上でホスティングし、FileMaker のスクリプトから 直接呼び出すことで、外部クラウドに一切依存しないセキュアなプライベート AI 活用基盤を構築する、明確な解決策です。

データ主権を、自社に取り戻す。 オープンソースの AI モデルを自社サーバー上でホスティングし、FileMaker のスクリプトから直接呼び出すことで、外部クラウドに一切依存しないセキュアな AI 活用基盤を構築します。
  • 1患者の診療記録、生徒の成績データなど機微情報をクラウド AI に送信できない
  • 2社内マニュアルや品質基準書といった機密性の高いナレッジを外部サービスに預けたくない
  • 3AI の学習データとして自社データが二次利用されるリスクを避けたい
  • 4業界の法規制・行政指導により、データの保管場所と管理権限を厳格に統制する必要がある
FileMaker 2026 での進化

Claris FileMaker 2026 における進化ポイント

Claris FileMaker の AI サービス機能(AI モデルサーバー)は FileMaker 2025 で初めて導入されましたが、FileMaker 2026 の 「Claris AI Model Server」では、単なる機能追加を超えたアーキテクチャレベルの進化を遂げています。

進化のポイント 概要
アーキテクチャの完全分離 AI 処理を FileMaker Server の通常処理から分離。専用マシン運用により DB 性能に影響を与えない
最新 GPU への完全対応 NVIDIA RTX など新世代 GPU を活用し、応答性能を飛躍的に向上
柔軟なモデル切り替え 同種モデルを複数同時ロードし、タスクに応じて瞬時に使い分け
専用 Admin Console AI 処理専用の管理コンソールにより、直感的かつ透明性の高い運用管理を実現
UI 強化 モデルダウンロード時のプログレスバー表示など、運用負荷を軽減
業種別 ユースケース

3 つのユースケース:
機密データを守りながら AI を使う

医療・教育・製造業それぞれの現場で、Claris AI Model Server を
どのように活用できるのかをご紹介します。

🏥 医療機関

院内完結型 AI による診療支援

患者の疾病情報・投薬履歴を外部に送信することなく、自然言語での検索・要約・紹介状の下書き自動生成を実現。 医師・看護師の文書作成業務を効率化し、診療の質向上に直結します。

🏫 教育機関

生徒データを活用した個別支援の高度化

出席状況・成績推移・生活指導記録を安全に分析し、個別指導計画の原案や保護者向け連絡文を自動作成。 教師の事務負担を軽減し、生徒と向き合う時間を創出します。

🏭 製造業

RAG による社内ナレッジの高度活用

「品番 XYZ の組み立て手順の注意点は?」といった自然言語の質問に、製品マニュアルや品質基準書に基づいて即座に回答。 ベテランのノウハウを形式知化し、組織全体で継承します。RAG オンプレミス活用の代表例です。

ガイドの内容

本ガイドで分かること

Claris AI Model Server の導入から実装、運用までを体系的に解説しています。

01

Claris AI Model Server とは

機能概要と FileMaker 2026 での強化点、業種別の活用シナリオ

02

導入前のシステム設計

  • 推奨アーキテクチャ(サーバー分離配置)
  • ハードウェア要件(Mac/Ubuntu/Windows 別、GPU・VRAM 要件)
  • 用途別の推奨 AI モデルと構成例(エントリー/スタンダード/ハイパフォーマンス)
03

セットアップ手順

FileMaker Server インストールから、Claris AI Model Server の導入、Python 環境(Miniforge)構築、API キー発行、Hugging Face からの AI モデル追加まで、画面キャプチャ付きで詳細に解説

04

動作確認とサンプルファイル

  • サンプルファイルによるテキスト生成(議事録自動作成など)の動作確認
  • イメージキャプション生成とセマンティック画像検索の実装例
05

運用上の注意事項

インターネット接続管理、ストレージ管理、セキュリティ、バックアップと復旧の考え方

06

トラブルシューティング

セットアップ失敗、モデルダウンロード中断、接続エラーなど、よくある問題への対処法

資料ダウンロード

Claris AI Model Server セットアップガイド(2026 年 7 月)
対象バージョン:Claris FileMaker Server 2026(26.0.1)

FileMaker 2026 へのアップグレードをご検討中の方も、AI 技術を導入して業務改善を検討されている方も、まずは本ガイドで自社に最適な構成をご確認ください。

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よくあるご質問

FAQ

Q

Claris AI Model Server とは何ですか?

Claris FileMaker Server 2026 に統合されたオンプレミス型の AI 推論基盤です。オープンソースの AI モデルを自社サーバー上でホスティングし、FileMaker のスクリプトステップから直接呼び出すことで、外部のクラウド AI サービスに依存しないセキュアな AI 活用基盤を構築します。テキスト生成、RAG(検索拡張生成)、イメージキャプション生成、埋め込み(Embedding)といった多様な AI タスクに対応しています。
Q

Claris AI Model Server の利用に追加費用はかかりますか?

Claris AI Model Server の利用自体に追加費用はかかりません。ただし、ベースとなる FileMaker Server 2026 の有効なライセンスが必要です。永続ライセンスをご利用の場合は、保守契約が有効で最新のソフトウェアアップデートを受け取れる状態であることが必要です。
Q

Claris AI Model Server 専用のインストーラはありますか?

専用のインストーラはありません。FileMaker Server 2026 のインストーラを使用し、インストール中の展開オプション画面で「Claris AI Model Server」の役割(ロール)を選択することでインストールします。
Q

FileMaker Server と同一マシンに Claris AI Model Server を構築できますか?

技術的には同一マシンへの同居も可能ですが、本ガイドでは物理的に別マシンで構成する「サーバーの分離配置」を唯一の推奨構成としています。同一マシンで稼働させると、CPU・RAM・GPU などのリソースが競合し、FileMaker Server のパフォーマンス低下、システム安定性の低下、スケーラビリティの制約といった問題を引き起こす可能性があります。なお、非推奨の同居構成の場合、AI サービスは FileMaker Server Admin Console から管理する形になります(分離配置の場合は専用の Admin Console が提供されます)。
Q

AI モデルサーバー用マシンのハードウェア要件は?

用途によって異なります。例えば「イメージキャプション/テキスト生成/ファインチューニング用」の必須要件では、Mac 環境の場合は Apple M4 チップ・32GB ユニファイドメモリが必要です。Windows/Ubuntu 環境の場合は Intel Xeon または AMD Zen 4/5 シリーズ CPU に加え、NVIDIA または AMD GPU(VRAM 24GB 以上)が必須です。より高いパフォーマンスを求める「推奨」「最良」構成も提示されており、最良構成では Apple M3 Ultra チップ・96GB ユニファイドメモリ、または NVIDIA RTX PRO 6000・VRAM 96GB 以上が示されています。
Q

AI モデルはどこから入手するのですか?

Claris AI Model Server は、世界最大の AI モデル共有プラットフォームである「Hugging Face」(huggingface.co)から直接 AI モデルをダウンロードして利用する仕組みを採用しています。ダウンロード時には提供元の利用規約への同意や、Hugging Face アカウントで発行した「アクセストークン」の入力が求められる場合があります。
Q

インターネット接続がない環境(閉域網)でも運用できますか?

通常運用時においては、AI モデルがすでにサーバーマシン上にダウンロード済みであれば、インターネット接続なしでの利用が可能です。ただし、初期セットアップ時、AI モデルのダウンロード時、および FileMaker Server のバージョンアップ時(依存パッケージの自動更新が発生する場合)には、インターネット接続が必須です。完全なオフライン環境ではセットアップ自体を完了できません。
Q

API キーで制御できる AI サービスにはどのような種類がありますか?

「埋め込み生成」「テキストおよびクエリー生成」「ファインチューニング」「イメージキャプション」「検索拡張生成(RAG)」「サーバー構成アクセス」の 6 種類の AI サービスが提供されています。1 つの API キーに対して複数のサービスを同時に割り当てることができ、有効期限は「1 か月」「3 か月」「6 か月」「12 か月」「有効期限なし」から選択可能です。
Q

AI モデルサーバーの設定やモデルファイルは、FileMaker Server の標準バックアップの対象になりますか?

いいえ、対象外です。AI モデルサーバーの設定およびダウンロード済みの AI モデルファイルは、サーバー固有のリソースとして扱われ、FileMaker Server の標準バックアップスケジュールには含まれません。なお、AI モデルファイル自体はステートレスなデータのためバックアップ不要(障害時は Hugging Face から再ダウンロード可能)ですが、RAG キャッシュや設定ファイル(fm_LLMOS_Settings.json など)はバックアップを推奨するデータとされています。